山ビール
2016-04-08 (金) | 編集 |
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山ビールをまとめてみました
久しぶりの大作です
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山ビール。それは山で飲むビールのこと。
麦酒について、のーがきを垂れだしたらトンでもない事になってしまいますので、山ビールに限って簡単にまとめてみました。
それでは順番に見て行きます。

山へビールを持って行く

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残雪で冷やす
最も効率が良く、有効な手段のひとつ
残雪の時期、残雪や雪渓が残りやすい山域で活用出来きる。例えば北アルプス涸沢などでは夏や秋でも残雪が残っています

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沢で冷やす
ビールを冷やす上では最強の手段と言える。しかし、時期や場所を選ぶため、あまり一般的ではない。

一口に沢と言ってもピンキリ。一般的な沢の水温はビールを冷やせるほど冷たくはなく、雪どけの沢や、一部の高山や永久凍土からの湧水などに限定される上、山岳のビール飲み適地に、そのような沢や雪どけがあるケースや時期も多くはない。

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写真のような雪渓水場なら理想
例えば黒部の源流域であっても、源流釣りや沢登りで入るような時期の沢水は、麦酒を冷やせるほど冷たくありません。
ひとつ上写真は8月の針ノ木、上の写真は7月の白馬ですが、雪渓から直に流れる雪解け水のため、盛夏でもビールは一瞬で冷えてくれます。このようにハマる状況では最強であるものの、そのケースは山では限定的なため一般的とは言えない。

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凍らせたまま持参する
最も一般的で現実的な方法。残雪が残らない季節や山域を含め全てで活用出来る手段。
凍らせたビールは食材などの保冷剤代わりにもなる。ただし、冷凍に失敗すると破損して漏れたり、写真のように缶が変形する事があり得ますので注意。写真のように底側が変形すると大変(゜゜;)

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これは解凍し切れずに湯煎で溶かしている図
とは言え、解凍されてぬるくなっているよりは、凍ったままの方が対応はしやすい。
冷凍時間や外気温、断熱の保冷パックの有無や運搬方法によって解凍具合も変わってきますし、これらは自分で体験して掴んで行くことでもあります。また山行途中の様子で、このままでは固まり過ぎかなと感じたら、保冷パックから出したり、ザックの外に出して温度調整する事もあります。
ただし、溶解中のビール缶は、揺すっても凍り具合は判りづらく(わかるのは凍りが大きい序盤だけ)、温度もイマイチ把握しづらいので、この辺りも体験で覚えて行きましょう。

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冷蔵して持参
これも一般的な手法のひとつ。何よりビールに味を求める通向けな方法でもある

実は凍らせたビールは味が落ちると言うリスクも伴う。上記のビール自体を凍らせるのではなく、水やお茶、スポーツドリンクなど、山で消費するペットボトルを凍らせてビールを冷蔵運搬するなら、より合理的だし、結局は同じこと。
写真はウイスキー用に担いだロックアイス(涸沢改め運命の徳沢にて)

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山でも美味しいビールが飲みたい!
日本のビールは冷えた方が良いが、冷やし過ぎてもダメ!
何より適度な運動と発汗、そして山の景色と愉快な仲間がよりビールを美味しくする!

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冬場ならそのまま飲める
外気温の低い冬場なら特に冷やす必要はありません。
大体はそのまま飲み頃となっているか、むしろ冷えすぎている事の方が多いくらい。
体温が伝わりやすい形状のザックの背中など、ケースに寄ってパッキングやビールの運搬方法に注意が出て来ます。

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冬山ビール、縦走ビールについて
厳冬の冬山縦走でも山ビールを飲むべく、重くても担ぎ上げるコテコテのビール党の方もいらっしゃるかと思います。
こればっかりはチカラ技。根性と体力、そして山ビールへの執念で担ぐしかない。

そして、冬山ではビールが凍らない対策が必要なこともある。
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日中の樹林帯などの行動では気温が低くとも、ザックの中に入れたビール缶が凍る事は滅多にありませんが、-10~20℃、風ピューピューの稜線や森林限界では半日歩くだけでもザックの中のビールは凍りますので、断熱パックが逆に必要となります。
また、冷え込みの厳しい夜なら、テント内でも一晩そのまま放置すると朝には凍ってしまいます。雪洞やイグルーなら冷え込みは抑えられるので凍結の心配は少ない。

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また、ビール缶自体は凍っていなくても、気温がマイナス20℃以下とかの寒冷な世界では、缶を開けた瞬間に凍り始める事もあります。
そんな状況で冷えたビールを楽しむのもまた山ビールの楽しみ(゜゜;)

ちなみに私の冬山ビールの持参記録は正月の飛騨山脈縦走1週間ソロ計画での500m缶10本が最高。しかし3日で下り、半分は現地で会った知人へ進呈している。

山小屋など現地で購入する

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山小屋で買うのが一番簡単
傾向をいくつか
・運搬コストがかかるため、値段は当然高くなる
・値段設定は山小屋によってまちまち
・基本的には標高が高いほど値段も上がる
(下の写真は白馬村営宿の自販機ですが、これより高所にある白馬山荘は50円高いなど)

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ビールの保冷は山小屋によって違う
・自動販売機が設置してある
・業務用冷蔵庫を使っている
・水桶や、氷、残雪を浮かべた水槽で販売
・水槽に沢水などを引き入れた掛け流し系
・冷暗所や倉庫に置いておくだけ
・通年営業の山小屋ではそのまま売店置き(冬季)
・中には残雪にぶちまけてワイルドに販売している所もある

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保冷方法が異なると、ビールの冷え具合も変わってきます。
そして飛ぶように売れる夏山シーズンや紅葉期の有名山岳地では保冷が追い付かず、ぬるいビールが出てくる事や売り切れる事もあります。
また、通年営業の山小屋の冬期には半分凍ったビールが出てくる事もある。
それらは仕方のない事ですし、もしそんな状況に遭遇しても山ビール党なら笑って許せる心の余裕を持ちたいものです

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生ビール
山でも生ビールが飲めるのは幸せな限り。
今では生ビールを販売してくれる山小屋も増えてきました。
ただし、真っ当な飲み屋で出されるビアテイスターが注いだ生ビールのようには行きませんので、過度の期待は禁物。

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今は無き岳沢小屋の生ビール

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今は有る岳沢ヒュッテの生ビール


山生ビール
これは生ビールサーバー用の樽。
生ビールが美味いのは炭酸の飽和具合と圧によるクリーミーな泡。これが実現できれば山でも自分で生ビールを入れる事が出来ます。ただしビール樽を冷やせる事&山へ担ぎ上げる体力も必要。
写真は11月の浅間山&外輪山周遊
1520mの専用ボトル3本、誰も背負ってくれず私が歩荷(゜-゜;)

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生ビールサーバ(写真右下)
簡易サーバーと侮るなかれ。専用炭酸ボンベからの圧を上手く掛けられれば、上等な飲み屋の生ビールとそん色ない生をいれられるし、泡もクリーミー。

写真は山ではなく、富士登山競走の前夜、富士吉田にて。
人物は年に一度お会いするG馬の実業団ランナーさん。ベストタイムは3時間10分少々と、上から数えて何番目と言うアスリート。

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例えビールでなく、発泡酒や酎ハイであっても良い
ひと昔前に比べたら発泡酒も美味しくなりました。

またアルコール類が飲めないと言うケースも山ではあります。
そんな時はノンアルコールでしょうか。

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残雪とブナの新緑の頃は最高の時期
ビールもますます美味くなる季節

写真のようなビール瓶は、山では余り現実的ではありません。王冠も必ず持ち帰りましょう

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キャンプビール
キャンプでのビール。
山だけではなく、アウトドアでの麦酒はかかせない。

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一日の終わりに夕日を眺めながらビール。
最高のひと時でもある。

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焼き肉&ビール

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焚き火ビール
焚き火しながらのビールも最高。
ただし、焚き火はどこでもやって良い訳ではありませんし、焚き火のマナーも重要。
山での焚き火は後処理がキッチリ出来る方のみに許される嗜み。

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山温泉ビール
景色の良い山の中の温泉ビールも最高ものひと時
白馬鑓温泉にて

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自分で作った湯船で飲むビールも至福
写真を良く見れば発泡酒ですけどね(゜゜;)
湯俣温泉にて

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クライミングビール
についても触れておきます
クライミング中は途中休憩であっても飲酒を控えるのは当然です。
ゲレンデ練習でも基本的には飲むべきではありません。あえて飲むとしたら昼食など時間の取れる休憩中に、写真のようなミニ缶でしょう。クライミングのビールは達成したあとのお楽しみですね。

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トレラン大会やウルトラマラソンでのビール
最後にトレラン大会でのビールについても書いておきます

実は一部の長距離トレランやウルトラマラソンでは、ビールが出る私設(裏)エイドが存在する事があります。
もちろん、序盤にはなく、フィニッシュが見える後半だったり、複数日に渡る開催ではセクション毎だったりする訳ですが、適度なアルコールは良い効果をもたらせてくれる事があります。

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写真はウルトラマラソン終盤(野辺山馬越峠79キロ)にて
ここでは飲んでいませんが、この後でビールが出たので有難く頂戴いたしました。まぁビールが出たと言うよりは、ビールぬぇんかよっと催促した方が正しい形容か。おかげでアレですよ(゜゜;)。

トレラン大会では、ハセツネカップに、ビールを持って参戦し、途中(月夜見山第二駐車場)で飲んだ事もあります。
酒は嗜み方次第では百薬の長にもなり得る。

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ちなみに、ホニャ名山ひと筆書きの某有名プロアドベンチャーレーサーさんへ、彼の故郷のビールを差し入れた事もあります。
ひと筆書きチャレンジ中は断酒を決め込んでいるとの事で受け取られませんでしたが。
同じく、百名山達成者で氏の大ファンだと言う実家の母などは戸隠キャンプ場へスイカを丸々差し入れています。後日、スイカは苦手だとテレビでやっていて苦笑いでした。

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飲み過ぎ注意(゜゜;)
山ではビールを含めアルコール類は(例え山小屋や天場であっても)飲むべきではないと考える方も多くいます。
もちろん、飲酒運転になるような山、ケースでの飲酒は厳禁。酔っぱらって騒いで他の人の迷惑になっても行けません。

節度ある山ビールを楽しましょう。

以下はヤマレコに作った山ビールのページとノート
書いてある事、写真もほぼ同じ。
山ビール
注:写真を多く使っています。
写真は宴会時や、山ごはんと一緒のビールなどではなく、純粋にビールのみの写真を使うよう心掛けています。

山ビールのノート
実はこのノートの方が写真も大きく断然見やすいです。
じっくり見るならこちらがお薦め(゜゜;)
同様に、先行公開している山コーヒーも作り変えてありますのでどうぞ。
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